フィリピンは、仏製薬大手サノフィ(Sanofi)が開発した史上初のデング熱ワクチンの販売を、アジアの国として初めて認可した。
同社のデング熱ワクチン「デングワクシア(Dengvaxia)」は、12月9日メキシコで世界初の規制認可を取得した。現在、アジアと中南米の約20か国で認可が検討されている。
デング熱は、蚊が媒介する感染症としては世界で最も急速に被害が拡大しており、デングワクシアによって最終的に数百万人に及ぶデング熱による死亡を防ぐことができるかもしれないと期待されている。
世界保健機関(WHO)によると、世界で年間最大4億人がデング熱に感染しており、その3分の2がアジアで発生しているという。
蚊が媒介する感染症であるデング熱は、世界で年間に最大4億人が感染している。今年は台湾で大流行したが、フィリピンでも多くの人が感染している。特に体力が無い人には致命傷になることがあり、薬の開発が望まれていた。
15か国の4万人を対象に実施された臨床試験では、デングワクシアは9歳以上のワクチン接種者の3分の2に免疫性を与えることが可能と判明、デング熱の重症型であるデング出血熱に対しては、この割合は93%にまで上昇したという。さらに、入院のリスクを80%減少させることも、臨床試験で分かっており、期待されている。