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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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新車販売好調も、四輪車生産は低水準

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 ASEAN自動車連盟(AAF)は、20152月のASEAN域内自動車販売・生産統計を発表した。
 

 それによると、2月のASEAN域内の四輪車国内販売台数は合計で23万8,361台で、前年同月に比べ8.7%減少した。これは、インドネシアとタイの落ち込みが響いている。国別では、インドネシアが前年同月比20.6%減の8万8,738台と二桁減になったが年初来首位を維持。2位のタイは10.8%減の6万3,945台。3位はマレーシアで0.6%減の5万390台であった。フィリピンは22.6%増の2万663台(工業会加盟企業分:以下同様)、 ベトナムは62.3%増の9,607台、シンガポールは37%増の3,819台、ブルネイは8.2%減の1,199台であった。

 
 2015年年初2カ月間(12月)の累計販売台数は前年同期比5.6%減の48万3,790台と落ち込んだ。国別では、トップのインドネシアが前年同期比 15.1%減の18万2,933台。2位はタイで11.8%減の12万3,666台、3位はマレーシアで1台増の10万992台、4位はフィリピンの 21%増の3万9,325台、5位がベトナムの73%増の2万5,717台となっている。シンガポールは49.3%増の8,547台、ブルネイは8.5%減の2,610台であった。
 

 生産台数(5カ国)に関しては、2月は前年同月比4%減の33万2,930台にとどまった。国別首位のタイは前年同月比2.8%増の17万8,351台と上向き。2位インドネシアは17.5%減の9万2,867台、3位マレーシアは1.5%減の4万6,958台。一方、フィリピンは3.7%減の7,010台。生産台数から見ると、フィリピンは新車の半分以上、7割近くを輸入に頼っていることがわかる。

 
 2015年年初2カ月間(12月)では、5カ国の生産台数は前年同期比1.4%減の67万3,438台と小幅減。インドネシアの生産が前年同期比11.7%減の19万1,739台と落ち込んだのが響いた。フィリピンは0.9%増の1万3,480台であった。フィリピンの生産台数シェアは2%で5カ国最低、4位のベトナムとの差も広がっている。
 
 販売の伸びでは好調と伝えられるフィリピン自動車産業界だが課題や懸念も多い。まず、販売台数がASEAN主要国の中で低水準となっており、タイ、イン ドネシア、マレーシアの数分の1にとどまっている。従って、1世帯当たりの乗用車所有率は11.5%%、1人当たりでは3.5%程度とASEAN主要国の中で最低水準である。これは今後の成長余地が大きいともいえるかもしれないが、さらなる販売拡大が必要な状況である。
 

 さらに深刻な問題は、自動車市場の拡大が現地生産の拡大に結び付いていないことである。フィリピンの2014年の生産台数は前年比12.2%増と ASEAN主要国の中では高い伸びを示したものの、わずか8万8,845台にとどまっている。総販売台数26万9,841台の3分の1にも満たない水準である。タイの約188万台、インドネシアの約130万台、マレーシアの約60万台に比べて極端に少なく、ベトナムの約12万台との差も拡大した。フィリピンでの販売は輸入車依存度が非常に高いという状況が反映された結果となっている。20152カ月間でもこの問題がさらに顕著となっている。(ASEAN自動車連盟統計等より)






 フィリピンの新車販売は3月も引き続き好調で、前年比23%増の2万3,557台となり、第1四半期としては前年比21.6%増の6万2,882台となっている。

 自動車は、1台当たり3~4万の部品が使われている裾野の広い産業。フィリピン政府も自動車産業育成のロードマップを遅らせるのではなく、早急に進めないと、アセアンの中でも取り残され、フィリピンに製造業が育たなくなりそうだ。












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