フィリピンはセキュリティー市場が拡大しているようだ。同国業界団体の全国警備会社協会(PADPAO)によると、現在の市場規模は400億ペソ(約1,048億円)、雇用者数は67万人に達したもようだ。好景気を背景に今後も需要拡大が予想される一方、警官不足を指摘する声も上がっている。
PADPAO幹部は、フィリピン国内には1,675の警備会社があり、大半がビジネス中心地のマニラ首都圏、主要観光地の中部セブ州、工業の盛んな中部カラバルソン地方などに集中していると指摘する。
近年の傾向として、ゲリラ対策が必要な鉱業分野や、増加傾向にあるショッピングセンターなど近代的商業施設での警備需要が高まっており、装備や警備対象、派遣地域などによって差があるものの、警備員1人当たりの費用は月額3万2,000ペソ程度だという。
同幹部はまた、フィリピン経済の好調が続いてビジネスが活発化しており、多くの企業が民間のセキュリティーサービスに関心を寄せているとし、今後も数年間は市場拡大が続くとの見解を示した。
一方、セキュリティー市場の拡大の背景には警察力が脆弱なことがあり、警官の人数不足を問題にすべきだとする声も上がっている。現在、フィリピン国家警察の人員数は14万人で、セキュリティー業界の雇用者の約6分の1。警官の人口比率は675人につき1人となっており、一般的に理想とされる500人に1人を大きく下回る。
犯罪抑止を呼びかける市民団体の代表者は、「渋滞の悪化で交通整理に人員を割かれるなど、警官の絶対数が不足していることが民間警備の需要増につながっている」との考えを示し、政府による警察力の増強が必要だとの認識を示した。
PADPAO幹部も、「ビジネスをする上で、十分な安全を提供できるほどの力がない」としており、市場拡大が警察力の脆弱さに支えられたものであることを認めている。さらに同幹部は、フィリピンのセキュリティー市場に行政の目が行き届いていないと指摘。現在はPADPAOが自主規制団体の役割を果たしているが、市場が拡大するにつれ低賃金といった問題が浮上しつつあり、今後は労働雇用省によるガイドライン作成など一定の規制も必要になってくるとの見解を示した。
フィリピンでは、警官の見ない日はあってもセキュリティー・ガードマンの見ない日は無いだろう。警察官がセキュリティー・ガードマンの6分の1と言われているが、巷で見る警察官の比率はもっと少ない。何処にいるのだろう。
バコロドでは警察官を見たければ、警察署よりスタバに居る方がよく見ることができる。(笑)