半導体検査用ICソケットなどを製造する山一電機(東京都大田区)は、100%出資のフィリピン製造子会社のプライコン・マイクロエレクトロニクス(PMI)の生産能力を倍増させることを明らかにした。3億2,000万円を投じる。日本のほか、中国や韓国などに生産拠点を持つが、フィリピンでの生産拡大が最適だと判断した。
PMIは車載用コネクターや検査用ICソケット、多層基板などをラグナ州カブヤオの工業団地「ライト・インダストリー・アンド・サイエンス・パーク1」で生産している。隣接する他社工場が競売に出されていたことや生産増に迫られていたことから、敷地面積6,169㎡、延べ床面積6,790㎡の工場を取得。生産能力を2015年度(2015年4月~2016年3月)改修工事を行い稼働を開始する。中国では賃金上昇や人材確保が困難なことも、フィリピン工場の増強を後押しした。
PMIの既存工場は、敷地面積1万1,893㎡、延べ床面積1万26㎡で、従業員数は9月末時点で842人。
山一電機は1994年、地場のPMIに資本参加するかたちで進出。ラグナ州カーメルレイ第1工業団地で生産していたが、2013年6月に電子機器受託製造サービス(EMS)部門をシークス(大阪市中央区)に売却。翌7月には、コネクターやソケット、基板の生産をカブヤオの現工場に移した。
PMIの昨年度の売上高は売却したEMS部門を除き、39億5,000万円。今年度は45億円を見込む。
山一電機はフィリピンでほかに、ラグナ州ビニャンのラグナ・インターナショナル工業団地で半導体検査器具のメンテナンス事業を手掛ける子会社テスト・ソリューション・サービシズを操業している。(NNA等より)
製品開発力、販売力、製造力、収益力および財務力を高めるため、テストソケット製品や車載機器向けコネクタ製品およびYFLEX多層基板製品の生産拡大に向けた増産体制を整備するようだ。
製造業でもサポート企業が、チャイナ+ワンの動きが本格化してきたようだ。