12月1日午後トラック諸島の近海で発生した台風22号(国際名:ハグピート、フィリピン名:ルビー)は徐々に勢力を強め、6~7日にはフィリピンのセブ島やレイテ島を含むビサヤ地方に上陸する可能性が高まった。昨年11月にビサヤ地方を襲い死者6,300人以上を出した台風30号(フィリピン名:ヨランダ)に比べればやや弱いが、予想進路はほぼ同じで、猛烈な勢力で上陸する可能性がある。
セブ州に本拠を置く日系メーカーでは、2日の段階で対応を協議。ガラスやドアの隙間をふさいで、雨風の吹き込みを防止し、生産設備に影響がないよう細心の注意を払う予定だ。工場が稼働停止する場合の従業員への通達対応なども確認した。この会社では、通常は土日も操業する。台風の上陸予想日と重なるが、進路を見極めながら、操業を停止するかどうかの判断を台風が通過する半日~1日前に決定する。台風ヨランダや2012年12月の台風パブロの時は、周辺の樹木が倒れたものの、工場での被害はなかったという。工場は1日~1日半稼働を停止した。
昨年の台風ヨランダは、レイテ島タクロバンを台風の中心が通過し、高潮による被害が大きかった。セブ州マクタン島のある日系メーカーは、「タクロバンと異なって、セブやマクタン島は(台風がやって来る)太平洋側に面していないことから、高潮などの特別の対策は行っていない」と述べた。
日本・外務省のセブ駐在官事務所では、台風接近に伴う注意喚起を通達した。ただ、上陸までにまだ時間があるため、セブ市で日本人会が週末に実施する日本人子息向けの補習授業は、3日午後の段階では、休校にする措置は取っていない。
日本の気象庁によると4日午前9時時点の台風の中心気圧は915hPa。最大瞬間風速は秒速55m。時速30㎞で西北西へ進んでいる。
民間気象情報サービスのウェザーニューズ(千葉市美浜区)グローバルセンターは、カテゴリー5(米国基準で最大級のスーパー台風)となる可能性が高く警戒が必要だが、昨年の台風ヨランダよりは弱いとの見通しを示した。
今年は平年より海水温が高いが、昨年11月に比べれば海水温が低く、勢力は弱くなるという。フィリピン気象庁(PAGASA)の予報から推測すると昨年の台風ヨランダの進路とほぼ同じだが、現在の風向きにより予想進路がやや北にそれる可能性もあることを指摘した。
同センターは今後の備えについて、海岸には近づかないなど十分な警戒が必要だと指摘した。(台風が来る向きとは逆の)西側に面した沿岸部でも、台風の進路の中心線より南側に位置する場合では、西側から風が吹くため高波や高潮の警戒は必要だという。
フィリピンの気象当局者によれば、北太平洋で高気圧が張り出して台風の北上を阻んでおり、中部レイテ島やサマール島の方角へ西進している。早ければ6日午後にも上陸する恐れがあり、レイテ島などを直撃する可能性は「60%」という。
台風22号(国際名:ハグピート、フィリピン名:ルビー)は、フィリピンに上陸するコースをとっているので、台風予報に注意して対処する方が望ましいですね。被害が少ないことを願っています。