空港でボーディングブリッジが装着されるのは、必ず左側前方のドアと決まっている。
旅客機にはたくさんのドアがついている。長距離国際路線の主力機材として多くの航空会社が導入しているボーイング777-300を例にとると、ドアは左右に5カ所ずつ計10カ所に。ところが、それだけの数があるのに乗客の乗り降りには左側の前方1カ所か2カ所のドアしか使わない。また、空港ターミナルから伸びるボーディングブリッジは、必ず機体の左サイドのドアに装着される。何故か?
ヒントは、旅客機に関するさまざまな呼び名です。機体は「シップ」、機長は「キャプテン」と呼ばれる。客室は「キャビン」で、その乗員は「キャビンクルー」。空港は「エアポート」だ。果たしてこの呼び名は、何処から来ているか?
もう一つ。旅客機の乗り降りに左側前方のドアしか使用しないのなら、なぜ左右に10カ所もドアが設置されているのだろうか。それらのことについて考えてみるとなるほどと思えます。
駐機中には、さまざまな特殊車両が「業務用ドア」を使って作業を進めている。
「シップ(機体)」や「キャプテン(機長)」「キャビン(客室)」などの呼び名は、すべて船の世界から来ている。「エアポート」は文字どおり「空の港」だ。旅客機の左サイドから乗降するようになったのも、じつは船の世界の古い習慣が関係している。
長いあいだ人や荷物の輸送に重要な役割を担ってきた船は、左サイドを港に向けて接岸するのが習わしだった。船体の右側は船尾に舵板が取り付けられていたため、右サイドを港に接岸させるとその舵板が邪魔になってしまうことからです。
その後、旅客輸送の主役が海から空へと移る過程で、航空界も古くからの船の習慣を手本に発展。そのときに受け継いだ左から乗り降りするといった習慣が、現在もそのまま続いているということである。
ところで、空港ターミナルで搭乗を待つ間、ケータリング会社の車両の荷台が旅客機のドアの高さまで上昇して作業する様子をご覧になったことがあると思います。機内食や備品の搬入は、主に機体右側のドアや後部ドアから行われる。乗降に使うドアを一般に「出入り口ドア」と呼ぶのに対し、それ以外のドアは「業務用ドア」としての役割を果たしています。非常時の脱出口としてもドアは大切で、アクシデント発生時には全乗客の脱出を90秒以内に完了させなければならない。どの機種にも、そのために必要な数のドアが設置されているということです。
羽田空港から大阪(伊丹)空港への便は、早朝と最終便を除き毎時0分発です。それは、空港の活性化と同時に周辺地域との間に騒音や排気ガスなどの公害問題が発生すたため、夜間飛行の制限があるからです。
最終便に乗って大阪に帰ってくるときは、珍しく右前方のドアも使っています。その最終便だけ、右前方のドアで降りれるのです。
また余談ですが、最終便が夜間制限のため、大阪(伊丹)空港に降りられず、関西国際空港に降りたことが1回だけですがあります。各人に交通費(二千円)を封筒に入れて機外に出た所で配っていました。でも、違う空港に降りると、家に帰るのは大変ですね。