イオン・グループがフィリピンでの事業を積極化させつつある。現時点ではイオン・モールは開設されていないが、ミニストップなどグループ事業は活発に展開されている。アジア各地で展開しているイオン・モール開設も視野に入れており、適地があれば開設に向かって動くと見られる。
そのようなか、一般財団法人イオンワンパーセントクラブ(イオン1%クラブ)は、7月28日から8月4日までの8日間、日本の高校生20名がフィリピンを訪問し、 フィリピンの高校生20名と交流する「ティーンエイジ・アンバサダー事業」を実施している。フィリピンとの交流は今回が初めてとなった。
イオン1%クラブは、1989年にグループの主要企業各社が税引き前利益の1%を拠出し、社会貢献活動に取り組むことを目的に設立された。「環境保全」、「国際的な文化・人材交流、人材育成」、「地域の文化・社会の振興」を柱に、国内外で活動している。
そして、中国、アセアン諸国と日本の高校生が交流する「ティーンエイジ・アンバサダー事業」を1990年より実施している。これまでに18カ国1,416 名の高校生がこの事業に参加し、相手国の文化や歴史に触れ、相互理解を深めてきた。
イオンはフィリピンにおいて、2000年よりコンビニエンスストア「ミニストップ」(2014年6月末現在414店)を、2013年よりイオンフィナンシャルサービスが金融事業を展開している。2014年度には、イオンファンタジーが室内ゆうえんち「モーリーファンタジー」1号店をオープン予定である。 また、度重なるフィリピンでの自然災害に際し、イオン1%クラブは全国の店舗、事業所で募金活動を実施し、継続して復興支援を行ってきている。こうした背景のもと、在日フィリピン大使館から要請され、フィリピンとの「ティーンエイジ・アンバサダー事業」が実現したようだ。
今回の交流活動では、教育相への表敬訪問、在フィリピン日本大使館での歓迎会、マニラ市内視察、高校での授業体験、ホームステイなど、フィリピンの歴史、文化、生活を知るさまざまな活動を予定している。現地でのみ得られる体験を通じて日本の高校生が フィリピンについてより理解を深め、両国高校生の深い友好関係が築かれることを願っている。なお、9月末にはフィリピンの高校生が日本を訪れ、日本の高校生と交流する予定である。
<イオングループのフィリピンでの展開>
・2000年
ミニストップ株式会社 ROBINSONS CONVENIENCE STORES, INC.(フィリピン)と海外エリアフランチャイズ契約締結 1号店オープン
・2008年
イオンフィナンシャルサービス株式会社、現地法人AEON CREDIT TECHNOLOGY SYSTEMS (PHILIPPINES) INC.を設立。現在はAEON CREDIT SERVICE SYSTEMS (PHILIPPINES)INC.
・2013年
イオンフィナンシャルサービス株式会社、現地法人AEON CREDIT SERVICE (PHILIPPINES) INC.を設立
・2014年
株式会社イオンファンタジー、室内ゆうえんち「モーリーファンタジー」1号店をオープン予定。(イオン株式会社ニュースリリース等より)
イオン・グループのフィリピンへの事業展開は、同国の経済成長とともに積極化させているようだ。フィリピンでのイオン・モール開設もそう遠くないように思える。
企業利益を無視にはできないが、社会貢献活動も必要で、こう言う「環境保全」、「国際的な文化・人材交流、人材育成」、「地域の文化・社会の振興」を是非するべきことだと思う。
日本の子供たちが、フィリピンの子供たちと交流して、劇的な変化を目の当たりにしている私としては、こう言う取り組みには賛成したい。
国だけでなく、日本企業もフィリピンとの交流を活発化させ、相手国の文化や歴史に触れ、相互理解を深めることは、良いことだと思う。フィリピンのネガティブ・イメージを払拭させるには、こういった長く地道な活動が必要と思われます。