フィリピンでガソリン式三輪タクシー(トライシクル)を電動化する国家プロジェクトが暗礁に乗り上げている。同国エネルギー省によると、同プロジェクトはアジア開発銀行(ADB)の融資などを受けて進められるが、実施主体の地方自治体の中には融資条件が整わない自治体があることから、電動トライシクルの導入台数を大幅に引き下げるとしている。
同プロジェクトは、現在、約350万台あるとされるガソリン式三輪タクシーのうち10万台を2017年までに電動化する計画だ。総事業費は、5億400万ドル(約512億円)で3億ドルをADBが融資する。
同省によると、一部の自治体が事業の維持管理などの行政能力が不十分との理由で、融資に必要な認証を内務自治省から取得できていない。そのため、事業規模が縮小され、今年の電動トライシクルの導入台数は、当初予定の3,000台から500台へと大きく下回る見通しだ。
また、導入される電動トライシクルの製造態勢にも進展がみられない。昨年8月に入札が実施され、日本からテラモーターズ(東京都渋谷区)が参加する企業グループなど、日系2社を含む計4業者が応札したが、入札結果の発表は延期されたままになっている。
フィリピン政府は、電動トライシクルをはじめ電気自動車産業を育成する方針だが、弾みをつけるべき同プロジェクトがなかなか“発車”できない形だ。(Sankei-Biz等より)
受入れ先である地方政府の認証取得が進んでいないとのことだが、電動トライシクル導入のプロジェクトをみたが、電動トライシクルの値段が、現在あるガソリン式のトライシクルに比べて異常に高く、補助金等で購入値段を下げない限り、電動トライシクルは広まらないように思える。ガソリン式のトライシクルによる排気ガス汚染を軽減するには、政府も一層の努力が必要のようだ。