山洋電気は太陽光発電装置用パワーコンディショナー(電力調整装置)の生産能力を、8月までに現状の月産約2000台から倍の同4000台に引き上げる。4月に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)による太陽光発電の買取価格が下がった中でも、家庭向けの太陽光発電装置の需要は底堅い。小型モデルの海外生産を拡大し需要増に対応する。
現在は家庭用に使われる出力10キロワット以下の小型モデルを中国の協力工場で、工場や学校などに使使われる出力10キロ―100キロワットの中型モデルを長野県上田市の工場で生産している。6月にフィリピン工場でも小型モデルの生産を始める。
パワコンは組立工程の多くを人手に頼っており、製品原価に占める人件費の割合が大きい。そのため同社は国内ではなく、人件費の安い海外で生産を拡大する。中国工場の増産とフィリピン工場の生産開始により、小型モデルの生産能力は現在の月産800台から同3000台に伸びる見通し。
販売はほぼ全量が日本国内向け。海外生産品も長野に一度集約し、検品後に全国に配送している。今後は製造面だけでなく物流面でも効率化を図り収益を向上させる考えだ。
2014年3月期連結決算で、パワコンを含むパワーシステム事業の売上高は120億円。パワコンはそのうち30%の約40億円とみられる。小型モデルの生産販売拡大により、パワコンの売上高を中期的に100億円以上へと引き上げる方針。(朝日新聞等より)
パナソニック電工になった三洋電機ではなく、電気部品の輸入販売から今では、冷却ファン、無停電電源装置及び、太陽光発電システム用のパワコン等を製造している会社で、フィリピンにはスービックの工場を構えている。
フィリピンは、電力買取りは企業しか認められていなく、家庭用の太陽光発電もなかなか増えて行かないが、何れは導入されると思われる。パワコンの小型モデルは今後も増えていきそうだ。