日本国内路線で就航するLCCは関西空港を拠点にしたピーチ・アビエーションと、成田空港が拠点のジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの計3社がある。
各社のホームページで予約し、クレジットカードやコンビニエンスストア、銀行ATMなどで決済するのが一般的。座席指定や預ける荷物は別途料金が掛かり、当日荷物が予約した重量を超過した場合は追加料金が必要で、機内の飲食物や毛布も有料となっている。
それでも合計料金は早めに予約すれば、航空大手を大幅に下回る。ピーチは一部の座席指定や受託荷物1個分などの料金を含むパッケージ運賃を用意しており、利用者に人気だ。
しかし搭乗手続きは出発の30~60分以上前に終わらせる必要がある。大手が15分前までに手続きを終え検査場を通過するとしているのと比べ、余裕をもって空港に到着しないと間に合わない。さらに飛行機のすぐ近くまでバスで移動し、タラップを上って搭乗する場合が多い。限られた機材をフルに活用しているため遅延や欠航もある。「欧米ではビジネスは大手航空会社、レジャーはLCCという使い分けが定着している」という。
搭乗手続きの終了時間がくると窓口を閉める航空会社もある。遅れたら原則搭乗できず、他の便に乗り換えもできない場合がある。早めの到着はLCC利用の鉄則だ。出発が遅れても空港内で食事や喫茶、リラクゼーションなどで過ごす方法を考えておく方が良い。
一例として、7月20日の航空便の運賃を1日夜、各社のホームページで調べてみた。関西発那覇行きの最低料金はジェットスターが7,990円、ピーチが8,490円と日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)の3万6,400円に比べ大幅に安い。
成田発新千歳行きはスカイマークが1万3,800円で最も安く、ジェットスターが1万4,490円、エアアジアが1万4,680円の順。JAL、ANAは3万5,600円だが、羽田発新千歳行きでは2万4,170円となり、スカイマークは1万6,800円、AIRDOは2万970円だ。
LCCは人気路線で空席が少なくなると、運賃を他社より高くすることがある。「LCCは安く路線に参入し、競争相手がいなくなれば料金を引き上げる方法だ。
LCC以外の航空会社の割引運賃は予約時期が早いほど安く、出発に近づくと高くなるのでわかりやすい。ところがLCCは空席状況などをみて随時料金を変えるため、出発が近づいても安いままだったり、逆に高くなったり、さらに安くなったりする。
ネットの予約は途中で中断して時間がかかる場合がある。安い席は数が限られるため、グループの旅行で1人ずつ入力すると途中で運賃が上がるときもある。「表示が分かりにくい」など予約・購入を巡る相談が急増しているとして、国民生活センターは、注意を呼び掛けている。
旅慣れた人は料金変動をチェックし、各社が不定期に発売する破格のキャンペーン料金をみて、週末の旅行先を決めたりする。人気歌手グループのコンサートやプロ野球、Jリーグのキャンプ地に行くのにLCCを利用する人も多いという。
リクルートライフスタイル(東京都千代田区)の調査部門、じゃらんリサーチセンターが3月にまとめた国内線LCC利用実態調査によると、2012年2月~13年1月に1回以上飛行機で国内旅行した人のうちLCCの利用者は7.3%だったが、今後利用したい人は経験者で96%、未経験者でも63%に達した。
LCCの利用者は増える見通しだが、レジャー目的を中心に空港に余裕を持って到着するのが上手に使うコツといえそうだ。(日経より)
LCCの利用者は、各社が不定期に発売する破格のキャンペーン料金の情報を得て素早く予約することと、荷物をコンパクトに纏め、空港に余裕を持って到着することが鉄則のようだ。