フィリピンの有力実業家ルシオ・タン氏らが創設に関わる航空学校「ファースト・アビエーション・アカデミー(FAA)」が3月21日、スービック湾国際空港(SBIA)で開校した。最新の機材と質の高い教育プログラムにより、フィリピンを世界の航空会社への人材供給国にしていく方針を掲げている。
FAAは、タン氏が率いるマクロアジア・コーポレーションと、船員、航空機乗務員の管理などを手掛けるPTCホールディングスが合弁で設立した。地元紙スターによると、総工費は1億5,000万ペソ(約3億1,320万円)。
イタリアのテクナム製訓練機、米レッドバード製フライトシミュレーターなど最新の機材・設備を導入。経験豊富なインストラクター陣が航空機操縦などに関する専門プログラムを提供する。
12カ月の研修修了後は、パイロットライセンス(自家用操縦士、計器飛行証明、多発限定、事業用操縦士)の取得が可能になる。成績優秀な修了生には、インストラクターへの道も開かれているという。
FAAのラウル・パレッツ本部長は「フィリピン民間航空庁(CAAP)は現在、年間約600件の事業用操縦士のライセンスを発行している」と説明。「FAAからは今後20年間で、約1万2,000人のパイロットを送り出すことができる」と自信を見せた。
FAAによると、米ボーイングが出した2018年の予測で、世界中で向こう20年間にパイロット79万1,000人の需要があり、うちアジアだけで約26万1,000人が必要になるという。(NNA等より)
ルシオ・タン氏と言えば頭文字と取ったLTグループの総師。LTグループに入っていないPALのオーナーでもある。「Mr.10%」と言われた故マルコス大統領の大番頭でもあった。
パイロットが不足すると見込まれている以上にパイロットの養成に力を入れたいようだ。