・フィリピンで発生する犯罪のほとんどは、グループによるものとみられており、あらかじめターゲットを絞った上で犯行に及んでいることが多いと考えられる。常に狙われているおそれがあることをあらためて認識するとともに、トラブルに巻き込まれないよう、安全対策や遵法意識を見直されたし。また、仮に何らかの事件に巻き込まれ身の危険を感じた場合には、絶対に抵抗せず常に生命と身体の安全を最優先されたし。
・マニラ首都圏及び近郊における最近の邦人犯罪被害の傾向は以下のとおり。
1.集団スリ被害
(1)典型例のひとつとして、商店街の歩道や狭い路地等において、子供たちや浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑している隙に、バッグやウエストポーチの中から財布を抜き取られるという例が挙げられる。一人歩きはできるだけ避けるようにし、また外出の際には、必要最小限の現金のみを持ち歩くようにする(あるいは財布を二個用意し、ひとつはすぐに取り出せるように工夫する)、毅然とした態度を示し、できる限り周囲を寄せ付けないようにする、恐怖を感じた場合は近くにいる第三者に大声で助けを求める等の行動を心がけられたし(なお、困っているところを助けに入ってくれた現地人と仲良くなり、その後、他の犯罪に巻き込まれる(シナリオの一部になっている)例もあるので、簡単に気を許さないよう十分な注意を払われたし)。
(2)もうひとつは、ショッピング・モールのエレベーターやエスカレーター、あるいは列車やバスの車中など、混み合う状況の中で、小銭やバッグ等を落とし、拾い集める人物とこれを手伝う人物等に行く手を阻まれ、進むことも退くこともできず戸惑ううちに、バッグやポケットの中から財布などを抜き取られるという例が挙げられる。買い物中又は散策中も、前後左右の人の動きにできる限り注意を払い、混み合うエレベーターやエスカレーターなどにはできる限り乗らないようにするなどの心構えが肝要。
2.置き引き被害
ファスト・フード店等において、バッグ等の置き引き被害が多発している。「現地人に話しかけられたので、これに応じている隙に・・・」という報告の多さも特徴のひとつ。バッグ類は、常に目に見える場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩くようにされたし。また、人混みなどでは、バッグなどはできる限り身体の前に抱えて持つように心がけられたし。
3.いかさま賭博詐欺被害
フィリピンにおいても、私的賭博行為に関与した者はすべて処罰の対象となる(身柄を拘束されるばかりでなく、保釈されたとしても、その後の公判期間中は出国を停止され、有罪となれば、禁固刑を科される例もある)。本件のような場合でも、当事者が自主的に賭博に応じたと当局が判断すれば、場合によっては被害者とはみなされず、罪に問われることもある。簡単に見知らぬ人物の誘いには乗らないよう、くれぐれも注意されたし。
4.恐喝(いわゆる美人局)被害
5.その他