3、4年前にブームになったココナツオイル。独特の香りが「苦手」「料理に使いにくい」などと持てあまされて“鎮火”したことが記憶に新しい。それが今、「無香」タイプが出回って、再び人気に火が付いた。有効成分「中鎖脂肪酸」を抽出したオイルは「MCT」とも呼ばれ、体脂肪になりにくく、認知機能をつかさどるケトン体を産生し、アルツハイマー病予防・治療の見地からも期待が大きいと言う。
通販「味とサイエンス」は3月、「Cecil無香ココナッツオイル」お徳用(1キロ、2,016円)を発売した。「毎日の料理に使っていただくことが大切。前回ブーム終息の反省から、日本人の好みに合うオイルを研究してきた。約200度まで変質しないので、揚げ物や炒め物にも使ってほしい」とお客さまサービス担当の藤本進さん。
オイルを監修するのは、抗老化研究で知られる白澤卓二医師。3月発行の米国の学術書『アルツハイマー病 真実と終焉』日本版の監修も手がけ、難解ながら7刷5万9千部という発行部数が、各方面からの関心の高さを示している。この本でもココナツオイルが強く推奨されている。
「アルツハイマー病は脳が萎縮し、エネルギー源であるブドウ糖が使えなくなることで発症する“脳の糖尿病”。糖が使えない患者にも、ココナツオイルが産生するケトン体が脳に届いてエネルギーとなり、再び脳が働き出すという理屈です」と白澤医師。「無香ならば好き嫌いは関係ない。ココナツオイルの有効成分、中鎖脂肪酸自体は無味無臭なので、香りが抜けても効果は全く変わりません」
白澤医師が院長を務める「お茶の水健康長寿クリニック」(東京都千代田区)ではアルツハイマー病患者に、ココナツオイルから中鎖脂肪酸だけを抽出したMCTオイルを処方。1回7グラム、1日3回摂取させている。
「肝臓で代謝される約3時間後には記憶力の回復がみられる」と白澤医師。「50代でバリバリ働いていた方が、点滴の針を刺していることも忘れて動いてしまう…。そんな悲惨なケースを診てきましたが、臨床では9割の患者に効果がある」と語る。肝心なのは、糖とトランス脂肪酸を控えた食事習慣を並行することで、健康な人でも学習能力向上が認められるそうだ。MCTをコーヒーに入れて乳化するまでよく攪拌すると、カフェラテのようにマイルドになって飲みやすい。
白澤医師はまた、ココナツオイルの抗菌作用で口内環境を整え、疾患を改善・予防する自然療法の口ゆすぎ「オイルプリング」も推奨している。
「前回ブームで持てあましたココナツオイルがまだ手元にある方は、肌に塗ってもいいですよ」とは、ココナツ専門店の草分け「ココウェル」の水井裕社長だ。92%が飽和脂肪酸という構造上、酸素が遮断され、数年は劣化しにくいという。
水井さんは留学先のフィリピンでココナツに魅了され、14年前に28歳で起業。当初オイルは、食用よりも化粧品需要が高かったという。
東京・自由が丘の直営店では、玄米に炊き込むなどの健康的で多彩な活用法を提案。凝固しやすい性質を活用して、生チョコレートやリップクリームも手作りできるそうだ。前回ブームの後、同社の売り上げは4分の1に減ったが、好調の無香タイプ「プレミアムココナッツオイル」(460グラム1,026円)が復活を牽引している。
大手オイルメーカーでは、日清オイリオがMCTの認知症ケアに対する研究を長年続けており、無香の「日清ココナッツオイル」(130グラム950円)などがスーパーに並んでいる。
6月17日、父の日。筆者は、めっきり物忘れが激しくなってきた父にココナツオイルを贈った。真意を告げたら、複雑な気持ちになるだろうか?(Sankei-Biz等より)
ココナッツオイルが健康にも、認知症にも良さそうで、今後有望と見なされているようなので是非取り入れて行きたいものだ。
また、認知症に関しては、最近日本のテレビ放送で見たが、毎日1.5ℓから2ℓの水けを取ると91歳の人の認知症が約7ヶ月水分補給を続けたことで改善したそうだ。熱中症もそうだが、認知症等にも充分な水分補給は必要とのこと。
そのような事例は、フィリピンでも聞いている。歩けなかった人が歩けるように、喋れなかった人が喋れるようになってきている。
フィリピンでは60歳以上の人口は500万人ぐらいだが、60歳以上生きられている人は金持ちが多いと聞く。そこで持ち上がって来ているのが、リタイヤメント・ハウスの需要と言われ始めている。どこの国でも、「ピン・ピン・コロリ」を目指したものが多くなっているようだ。