米ボーイングが10月25日に発表した2017年7~9月期決算で、商業用航空機の出荷が202機と四半期ベースで過去最高を更新した。新設の航空関連サービス部門の売上高は35億ドル(約4,000億円)、売上高利益率は14%と高い収益率を記録した。だが、税金など一時的な費用の増加で純利益は2割減となり、市場では同社株の利益確定の売りを誘ったようだ。
「737型MAXを24機出荷するなど商業航空機を順調に市場に投入できている」(デニス・ミューレンバーグCEO)。737型機MAXは最も需要の大きい小型機市場でのボーイングの次世代主力機。他のシリーズを含めて、7~9月期に737型機は2割増の145機を出荷した。
世界の航空会社の間では中短期距離路線での機材のダウンサイジング(小型化)の流れが強まっている。中型機787型機や大型機777型機の出荷は減少しており、737型機だけで全体出荷の7割を占めた。顧客から引き合いの強い737型機の月間生産体制を現在の47機から、来年にはまず52機、2019年には57機に引き上げる計画だ。
好調な小型機をけん引役に7~9月期売上高は前年同期比2%増の243億900万ドルとなった。ただ、軍用機部門は5%減の54億7,000万ドルに落ち込んだ。純利益は19%減の18億5,300万ドルとなった。税金関連の費用拡大などが響いた。
全体の営業利益は18%増の26億8,900万ドル。コスト削減活動が軌道に乗り、売上高営業利益率は11%(前年同期は9.5%)と2桁台に高まった。2017年12月期通期の1株利益目を最大11.40ドル(従来予想は同11.30ドル)に引き上げた。
利益率を高めるため、7月に「ボーイング・グローバル・サービス」(BGS)を発足。今回BGSの業績を初公表し、7~9月期売上高が35億6,800万ドル、営業利益5億600万ドルだった。BGSは航空機の整備やデータ解析を通じたコンサルティングなどを手掛ける。ボーイングはBGS売上高(2017年12月期見通しは最大145億ドル)を将来的に「年間500億ドルまで引き上げる」(ミューレンバーグCEO)考えだ。
ボーイング株は発表当日の25日、約3%安に下落。業績期待から買いが先行していた反動もあったようだ。(日経新聞等より)
世界的にLCCの需要が多い小型機に移っているようだ。世界でも旅客機需要が多く望まれている東南アジアもエアバスとボーイングの受注争いが活発になるようだ。この頃はフィリピンから他のアセアン路線も増えてきている。より便利になるのはありがたいものだ。