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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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空港編⑰ 旅客機の燃料タンク

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 例えば、日本から欧米などへの長距離路線で運航されているボーイング777では、積載する燃料(ケロシン)は最大で約17万リットル(200ℓのドラム缶で約850本分)にもなる。燃料の重さだけで約140トン──つまり機体とほぼ同じ重量の燃料が機内に積まれます。


 では、それほど巨大なタンクが、旅客機のどこに隠れているのかと言うと、皆さんも聞いたことがあると思う。そう、大型旅客機の燃料タンクは、左右に大きく延びる主翼の内部に備え付けられている。最新型の機種では水平尾翼内にもタンクを設置している例もあるが、やはりメインとなるタンクは主翼の中。それには、とても重要な理由があるようだ。


 その理由を披露する前に、皆さんが考える疑問の一つに「燃料タンクが主翼にあると、燃料の減り具合によって機体の重量バランスが崩れて、フライトに影響が出るのでは?」というものだと思う。


 でも、燃料タンクを主翼の中に設置している最大の理由は、主翼のつけ根にかかる力(曲げモーメント)が大きくなり過ぎないようにするためだ。飛行中の旅客機は、揚力(旅客機を空中に持ち上げる力)をつくり出している主翼には上向きに、反対に重力に引っ張られる胴体には下向きの力がかかっている。

 では、もし大量の燃料を積むタンクが胴体にあって、主翼が軽かったらどうなるかとと言うと、上に引っ張られようとする主翼が胴体の重さに負けてしまい、主翼はつけ根でポキッと折れてしまうだろう。

 しかし燃料タンクを主翼に設置して重くすれば、その重い部分をそっくり揚力で持ち上げることになる。下向きの力がかかる胴体に引っ張られて、主翼が必要以上に上に反り返ることを防止できる仕組みだ。


 また、燃料タンクが主翼の中にあるとはいっても、大きなものが一つだけポンと組み込まれているわけではない。メインタンク、リザーブタンクなどいくつかの細かなタンクに分かれている。


イメージ 1

 そのため、旅客機が上空で姿勢を変えても、燃料が主翼内のあちこちに移動して重量バランスが変わるようなことはない。燃料を消費しながら飛び続ければ、機体の重心の位置は当然変化するが、旅客機はもともと主翼付近に重心がくるように設計されているとのことです。






 ライト兄弟が、1903年に有人動力飛行に世界で初めて飛行して110年余り。本当に目覚ましい進歩ですね。













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