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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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「エアアジア・ジャパン」は、なぜ飛べない?

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 いつになったら離陸できるのか???。
 
 マレーシアを拠点とするアジア最大のLCC(格安航空会社)のエアアジアが、日本に設立したエアアジア・ジャパン。楽天、アルペン、ノエビアホールディングスなどの出資も受け設立されたのが2014年。だが、いまだに就航は実現していない。
 
 中部国際空港(セントレア)を拠点空港とすることを決め、2015年10月に国土交通省から航空運送事業許可を受けた。中部~新千歳(札幌)、中部~台北の2路線を計画しているが、これまで4回就航時期が延期され、現在は未定となっている。
 
 そして5月に、経営体制の変更が明らかになった。5月15日付けのエアアジア・ジャパンの法人登記によれば、3月末で井手隆司会長の代表権が外れ、取締役から退任。会社側は「健康上の理由」としており、現在は会長にとどまったまま、執行役員に就いているという。
 
 井手氏は2015年9月までスカイマークの会長を務め、2015年12月にエアアジア・ジャパンの代表取締役会長に就任した。年が明けた2016年2月には、中部空港関係者を集めた講演会で2016年夏の運航開始を宣言。将来的にはアジアだけでなく、ホノルルや米国西海岸への就航も示唆し、株式上場の計画までブチ上げていた。
 
 壮大な野望を掲げていた張本人が経営の一線から退いたことの意味は、小さくない。井手氏の取締役退任により、代表取締役は秦修社長のみとなった。秦氏は米デルの日本法人出身で、航空業界に精通しているわけではない。エアアジア・ジャパンの取締役会からは、日本の大手航空会社での実務経験者が1人もいなくなってしまった。
 
 実際、業界関係者の間では「今のエアアジア・ジャパンには、(就航に欠かせない)国交省航空局とまともに交渉できる人材がいない」との声が飛び交う。井手氏が会長に就任する以前、設立当初からエアアジア・ジャパンを率いていたのが全日本空輸(ANA)出身の小田切義憲・前社長だった。
 
 小田切氏はANAとエアアジアの合弁による旧エアアジア・ジャパンが設立された際、同社へと転じ、両社の合弁解消後も新生エアアジア・ジャパンにとどまり社長に就いた。
 
 ただ、事業許可を得た後、就航準備に時間を掛ける小田切氏とエアアジア幹部の間には深い確執が生まれ、小田切氏は辞任。そして井手氏と、同じくスカイマーク出身の有森正和・現CFO(最高財務責任者)が招聘された。
 
 その後の航空局とのやりとりは停滞した。事業許可が下りてから実際に運航を開始するには、航空局による多くの検査を経なければならないのだが、マレーシア本社では事業許可が出ればすぐ飛行できると考えていた節がある。
 
 航空局による検査にはさまざまなものがある。関係者によれば、エアアジア・ジャパンは、航空機の運航管理・整備や乗員の訓練に必要となる基本的な施設の検査のほか、航空局職員が立ち会う以前の通常飛行の試験すら終わっていない状況だという。「今夏の就航も厳しいのではないか」との声も聞かれる。
 
 運航ができなければ、当然収入もない。航空機のリース料や駐機料、施設の賃借料、そして人件費など、多額の費用を垂れ流すばかりだ。収入がないと銀行も融資に応じない。頼みの綱は増資しかない。
 
 5月15日付の登記簿からは、この4月に3度目となる増資が行われたことがわかった。金額は約16億円。どの株主が応じたかは「開示していない」(広報)という。昨年3月には約30億円、12月にも約10億円の増資が行われた。増資はすべて無議決権株式だ。本国のエアアジアが普通株式で増資に応じると、航空法が定める外資の議決権の上限3分の1を超えることを考慮しているとみられる。
 
 すべての株主がいつまでも増資に応じるとは限らない。本国のエアアジアも、現在中国やベトナムで新たな航空会社を立ち上げようとしている。日本だけに構っている余裕はないだろう。就航に向けた検査を乗り切れるだけの人材を確保することが急務といえる。(東洋経済オンライン等より)





 今日本で日本の行政が許認可を握っている件で、国会で障壁の問題として賑わっている。航空業界も行政が係わって許認可権を握っている。そこに精通していなければ対処できず、前に進めないのも問題だ。

 エアアジア・ジャパンも、早く離陸して近隣の国への路線を軌道に乗せて欲しいものだ。












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