スンブル・アルファリア・トリジャヤ(インドネシアのコンビニエンスストア大手)が運営するコンビニエンスストア「アルファマート」を今年、フィリピンで200店舗を追加し、これまでの店舗数をほぼ倍増する。
同社は2014年、銀行業や小売不動産を手掛けるフィリピンの複合企業大手、SMインベストメンツとの合弁会社に35%を出資し、フィリピンでの事業を始めた。同社のハンス・プラウィラ社長は、同社の概念である従来のコンビニよりも小規模で生活必需品を扱う「ミニマーケット」がフィリピンではなお未開拓分野だと述べた。
同氏は「フィリピンの市場は、インドネシアの市場と似たような特徴を持っている」としたうえで、「フィリピンにはミニマーケットが多くないという点が違いなので、青い海原(競合のない未開拓領域)のようなものだ」と語った。
同社は2016年末時点でフィリピンに210店舗を構えており、今年出店が計画されている新たな200店舗のうち、既に約60店舗は今年1~3月期中に出店している。合弁会社は依然として赤字だが、出店数が400店舗に達すれば、今後2年間での黒字化が可能になるとしている。
フィリピンで断トツのコンビニである「セブンイレブン」も、インドネシアでは苦戦している。中堅財閥、モダン・インドネシアとインドネシアでコンビニエンスストア「セブンイレブン」を運営する子会社が店舗の営業を停止すると最近発表されている。
30日に全店を閉店するとしている。同社は酒類の販売規制などの影響で売り上げが減少して経営難に陥り、身売りを模索していた。
インドネシアのモダン・セベル・インドネシアはジャカルタ首都圏を中心にセブンイレブンを161店舗(2016年末)を運営していたが、事業の売り上げが2016年に2015年比で約24%減少するなど、深刻な不振に陥っていた。このことは、「アルファマート」に負けたということにはならないが、ローソンがバリ島から撤退し、ミニストップも店舗を閉鎖するなど、インドネシアの後発組である日系コンビニにとっては厳しい市場となっている。インドネシアでは、地場系の「インドマレット」や「アルファマート」はそれぞれ1万店以上の店舗を持っている。
フィリピンで「アルファマート」が「セブンイレブン」の牙城を脅かすとは思わないが強敵にはなりそうだ。