ファーストリテイリングは、フィリピンにおけるユニクロ店舗の出店、運営を目的として、2012年1月にSMリテール社と共同出資して合弁会社、「ファーストリテイリング・フィリピン社」(FRPI、所在地:マニラ首都圏パサイ市)を設立した。ファーストリテイリングの出資比率は75%である。
FRPIの合弁相手であるSMリテール社は、商業施設運営、銀行、不動産、ホテル、コンベンション事業などを展開するフィリピン最大級のコングロマリットであるSMインベストメンツ社の子会社であり、小売業におけるリーディングカンパニーで50年の歴史を誇っている。FRPIは2012年6月のユニクロ初出店時に、「数年間でユニクロを50店舗出店、遠くない将来である2020年頃にフィリピン首位となることを目指す」と表明している。
ユニクロ・フィリピン1号店は、2012年6月15日に、巨大ショッピング・モール「SMモール・オブ・アジア」に出店された。初出店から約1年後の2013年5月に4店、2013年11月に10店に達した。約2年後の2014年5月には12店、2014年12月に20店突破、約4年後の2016年5月末時点で30店と拡大してきている。そして、2016年12月2日に、首都圏ケソン市サンタクルス・ヒーローズヒルズのケソン通りとルーズベルト通りの交差点コーナー付近に35号店となる「フィッシャー・パーク店」をオープン、2016年末で35店体制となっている。2015年末の27店からは8店の増加となった。
ユニクロ・フィリピンの出店は2017年1月と2月は一服となっていたが、3月31日にマニラ首都圏パシグ市オルティガス・アベニュー・エクステンションに立地するショッピングモール「SMシティ イースト・オルティガス店」1階に36号店がオープンした。
なお、フィリピンでの出店は2015年央までは、マニラ首都圏を中心とするルソン島に限られていたが、それ以降は首都圏周辺以外にも幅広く展開しつつある。まず2015年内に、マニラ首都圏に次ぐ都市圏であるセブに2店をオープンした。2016年6月17日には、ビサヤ地方イロイロ市の「SMシティ・イロイロ」と、ビサヤ地方西ネグロス・バコロド市の「SMシティ・バコロド」に2店を同時オープンした。これにより、セブを中心とするビサヤ地方に4店出店となっている。(ユニクロ等より)
ファーストリテイリングは、ダバオ市の商業施設「SMラナン・プレミア」に5月26日、「SMシティー・ダバオ」に6月2日、「SMカガヤンデオロ・プレミア」に6月末、それぞれオープンする予定で、ミンダナオで一気に3店舗を展開する。これで、当初目標の40店体制が視野に入ったと言える。フィリピンでユニクロは、地方展開の段階になり、順調に店舗を拡大しているようだ。