スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差(ジェンダーギャップ)報告書2016年版」を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングしている。
男女平等度ランキングは1.経済活動への参加・機会、2.教育機会、3.健康・寿命、4.政治参加・関与という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)で男女平等度を比較、順位付けをおこなっている。。2016年の調査は144カ国・地域であった(2015年は145カ国・地域)。
2016年世界男女平等度指数トップ10は、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位ルワンダ、6位アイルランド、7位フィリピン、8位スロベニア、9位ニュージーランド、10位ニカラグアとなった。下位グループは、140位チャド、141位サウジアラビア、142位シリア、143位パキスタン、最下位の144位がイエメンであった。
フィリピンの7位はアジア地域では断トツである。ASEANでフィリピンに次ぐのはラオス43位である。そして、シンガポール55位、ベトナム65位、タイ71位、インドネシア88位、ブルネイ103位、マレーシア106位、カンボジア112位、東ティモール125位となっている。
その他のアジア諸国では、モンゴル58位、中国98位、日本111位、韓国116位とランクされている。日本は前年の101位から10ランク下げ先進7カ国(G7)中で最下位だった。日本は、女性議員数が少ないことや女性首相を出していないこともあって、以前から低い評価であったが、今年は一段と評価が下がった。
フィリピンは2013年5位、2014年9位、そして2015年6位(改訂値)、2016年が7位と世界ベスト10の常連となり、アジアでは断トツの男女平等度となっている。フィリピンの項目別内訳(サブ指数)は、.経済活動への参加・機会21位、教育機会1位、健康・寿命1位、政治参加・関与17位。すなわち、教育機会と健康・寿命が144カ国中トップになっている。
教育に関しては、①識字率は女性が男性の1.011倍で1位、②初等教育入学率は女性が男性の1.04倍で1位、③中等教育進学率は女性が男性の1.19倍で1位、④高等教育進学率は女性が男性の1.28倍で1位と全項目で1位となっており、当然のことながら教育全体で1位となっている。
健康・寿命に関しては、男児出生に対して女児出生は0.95倍で1位、平均余命は女性が男性の1.11倍で1位となっている。また、経済への参加・機会に関しては、女性の労働力参加が男性の0.65倍で全体の107位と低い評価であるが、専門・技術職は男性の1.60倍で1位となっている。(世界経済フォーラム発表等より)
以前からフィリピンの男女平等度がアジアで断トツと言われるが、滞在して見ていると何となく分かりそうな気がする。今後も続く方が、この国には良いようだ。
何処かの国みたいに、一人っ子政策で男の3,400万人が結婚できない国もあれば、その国に負けている日本もある。一朝一夕には行かないようだ。