私は、勤続18年になる中堅会社の男性サラリーマンです。趣味で料理を得意としており、食べてもらった人からはプロの味だと評判です。自分でも多くの人に創作料理を提供するのが夢なので、40歳になったのを機に3歳年下の妻とともに独立開業しようかと思っています。老後になっても続けられるので年金と合わせて暮らしていければと思います。年金額はどのくらいになるか目安のようなものはありますか。
このように、将来の年金受取額を知りたい人が多いと思います。年金額の目安は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や年金事務所の試算でかなりわかりますが、もっと簡単におおよその目安を知る方法をご紹介しましょう。
サラリーマン勤務の人が老後にもらえる年金は国民年金からの老齢基礎年金と厚生年金からの老齢厚生年金で、いずれも毎年、年金額が改定されます。
老齢基礎年金の満額(40年加入)は、今年度で年額78万100円ですから40年で割って12ヶ月で割ると、1ヶ月1,625.2円になります。老齢基礎年金は保険料を納めた期間だけで決まりますので、単純に加入月数を掛けるだけで目安が出ます。保険料免除期間がある場合は、免除期間部分は少なくなります(全額免除で半額)。なお、サラリーマンの厚生年金加入期間はそのまま国民年金の加入期間になります。
老齢厚生年金は給与の額が関係してくるのでもう少し複雑ですが、標準的な人で大ざっぱに1年当たり3万円と考えてよいでしょう。定年まで勤めた場合は、40年とすれば年額120万円になります。1年当たりの年金額は、大企業ならば3万5,000円、零細企業なら2万5,000円と読み替えてください。
尚、もう少し精度をあげた金額の場合は、下記の計算をしてください。
月額給料÷1000×5.481×加入月数=老齢厚生年金額
また、少子高齢化の影響で実質年金額は今後徐々に下がり、最終的には今より2割下がるとされています。若い人はこれも考慮に入れる必要があります。計算例で示したようになりますが、この年代だと1割減の月額10万円程度だと思ったほうがよいでしょう。
独立開業するときは、もう一つ注意点があります。20年に達してから退職することです。年下の妻がいる場合、加給年金という加算(年額約40万円)が老齢厚生年金に付くからです。質問者の場合、年の差が3年間なので67歳まで加算されます。加給年金をもらうには厚生年金に20年以上の加入が必要です。
年金受給額の目安
老齢基礎年金=1,625円×国民年金加入月数(保険料納付期間)
※厚生年金加入期間含む
老齢厚生年金=3万円×厚生年金加入年数
(例)会社に20年勤めて脱サラ18年の人
老齢基礎年金=2万円×38年=76万円
老齢厚生年金=3万円×20年=60万円
計 136万円(月額11.3万円)
※妻がいれば加給年金の加算(条件あり)や妻自身の年金もあります。(毎日新聞等より)
老齢基礎年金は、40年加入の満額から40年で割って12ヶ月で割ると、1ヶ月の年金額が分かります。それを、加入月数で掛けるだけで目安がでますが、老齢年金は、給与の額が関係した細かな計算式はありますが調べるのは大変です。取り敢えず、上記のような概算で理解するのがよいでしょうね。