全日本空輸は10月末にも羽田―クアラルンプール線を新設する。大手航空会社が同路線を就航するのは初めて。一方、欧米の長距離路線のみで採用していた快適性の高い最新座席をアジア各地の路線に投入する。日系企業の現地化が進み、過密日程での出張が増えている。路線や設備の充実で成長が続くアジアのビジネス旅客需要を取り込む狙い。
羽田とクアラルンプールを約7時間で結ぶ路線を1日1往復設ける。同社は昨年9月に成田~クアラルンプール線を開設した。利用率は8割超と好調だ。成田は北米など国際線との乗り継ぎ客を、羽田では首都圏発着のニーズを狙う。現在の成田からの往復普通運賃はエコノミークラスで35万円強、ビジネスクラスで49万円強。新規の羽田も同程度とみられる。
機内設備の充実でもアジアでのビジネス客の取り込みを狙う。アジア各地向けに米ボーイングの最新鋭機「B787―9」の近距離仕様機を7月から順次投入する。全体の2割弱の40席に完全に水平に横たわる「フルフラット」と呼ぶシートをビジネスクラスとして設ける。成田や羽田と、クアラルンプールやバンコク、シンガポールなどを結ぶアジア路線に採用していく。
近距離のビジネスクラスでは背もたれや足置きが傾斜するシートを採用していた。自動車や電機関連など日系企業の現地化が進み、アジアの工場や販売会社の管理職に現地人材を登用するようになった。日本の幹部層が視察や会議で短時間、滞在するケースが増え、機内泊の快適性が求められている。日航も6月18日からフルフラットのビジネスクラスを羽田~バンコク線に投入した。
国際民間航空機関によるとアジア・太平洋の旅客数は2015年に11億9千万人だった。2011~15年の年平均伸び率は11%と、欧州の5.1%、北米の1.8%を大きく上回る。今後も新興国の経済成長が追い風となるほか、島嶼間の移動手段として航空輸送のニーズは底堅い。
国際民間航空機関によると、アジア・太平洋の旅客数が、新興国の経済成長が追い風となって増えてきている。航空各社もビジネス客も増えていくと見込んで、路線やサービスを充実させていくようだ。旅客が増えれば便も増え利用し易くなっていくだろう。
また、大手航空会社が路線やサービスを充実させていくと、航空各社も競ってくるので、利用する者としては喜ばしいものになる。
今のLCC各社はA320を多く使用しているが、航続距離の問題もあり、日本~台湾~フィリピン地方空港の路線という台湾経由便も考えて欲しいものだ。
セブパシ航空は、今後はA320から航続距離の長いA321を購入して行くと言っている。これだと、日本~フィリピン地方空港も視野に入れられるようだ。