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セブン・イレブン首位独走


 フィリピンでコンビニエンス・ストア業界が順調に発展しつつある。現在は業界断トツのセブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、20153月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。
 

 首位のセブンイレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.561%を所有(201512月末現在)するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。 PSC198211月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブンイレブン運営ライセンスを獲得。

 
 フィリピンでのセブンイレブン第1号店は、 19842月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍く1996年にようやく100店体制となった。しかし、2000年の小売業界規制緩和を契機に下表のように出店ピッチが速まり2010年に500店を突破した。そして2013年年末には1,009店となり、1千店の大台を突破した。そして、2014年末には1,282店へと増加した。
 
 2015年も店舗数が順調に増加した。一年間で337店をオープン、17店を閉鎖した。この結果、2015年末の店舗数は1,602店に達し、2014年末の1,282店から320店、率にして25%の増加となっている。直営店比率は40%、フランチャイズ店比率が60%である。また、最近は地方へも積極進出している。1,602店の地方別内訳はマニラ首都圏を含むルソン地方1,397店、セブを中心とするビサヤ地方178店、ダバオを中心とするミンダナオ33店となっている。なお、セブでは90店を展開、業界店舗数シェアが80%超となっている。
 

 ミンダナオに関しては、20155月初旬、ダバオ市にミンダナオ島1号店をオープンした。また、世界的なリゾート地であるボラカイ島にも進出、529日にステーション3にボラカイ1号店をオープンした。また、ボラカイ島の玄関口であるカティクランのジェッティーポートにも開店、3年以内にボラカイで11店オープンする予定とのことである。

 
 店舗網の拡充とともにPSCの近年の業績は好調に推移している。PSCの最終損益は2004年の200万ペソの赤字から2014年には8億7,330万ペソの黒字へと10年間でドラスティックに改善している。
 
 2015年(1月~12月)のPSCの業績も堅調に推移した。全店売上高は前年同期比25.3%増の257億7,610万ペソ、商品売上高は同30.9%増の224億ペソ、営業利益は同17.5%増の14億8,680万ペソ、純利益は同15.4%増の10億800万ペソに達した。1株当たり純利益(EPS)は同15.2%増の2.20ペソであった。増益率が増収率より低かったのは、ミンダナオ進出など地方でのネットワーク構築コストが嵩んだことなどによる。
 
 PSCは、2016年にセブン・イレブン店舗数を400店純増(2015年は320店純増)させ、2016年末に2,000店体制とする方針である。したがって、2016年の設備投資額も前年比4割増の35億ペソと高水準となる見込みである。このように、業界トップのセブンイレブンが急ピッチで店舗網を拡充させつつあることが目立つ。後続コンビニも追撃を図ろうとしているが、セブンイレブンの動きが早く、現時点では店舗数の差が拡大傾向にある。2016年も一段と拡大する可能性がある。(フィリピン証券取引所等より)





 PSCの発表の速報値では、2016年第1四半期(1月~3月)の全店売上高は前年比33.5%増の73億4,260万ペソ、商品売上高は同44.7%増の65億7,220万ペソ、営業利益は同59.3%増の2億7,780万ペソ、純利益は同61.6%増の1億8,240万ペソに達した。1株当たり純利益(EPS)も同60%増の0.40ペソとなって、新店効果や選挙特需などで、地方でのネットワーク構築コスト増などを完全にカバー、大幅増収増益となっている。

 2016年も店舗数が順調に増加しており、第1四半期に55店をオープン、2店を閉鎖した。この結果、3月末の店舗数は1,655店に達し、20143月末の1,341店から314店、率にして23%の増加となっている。最近は地方へも積極進出している。1,655店の地方別内訳はマニラ首都圏 を含むルソン地方1,421店、セブを中心とするビサヤ地方189店、ダバオを中心とするミンダナオ45店となっている。 ミニストップは519店、ファミリーマートは104店と大差がついて、独走している。


 バコロドでも、地方展開を積極的に行っているセブンイレブンが地場のコンビニを圧倒している。住民にとっては増えることにより、便利になるので喜ばしいと思う。












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