大阪のお好み焼きや串カツ、姫路のおでん・・・・・。安くてうまい関西のB級グルメがアジアに進出している。地域の特色がある料理は、外国人観光客にも人気だ。現地でも受け入れられるはずだと、成長市場に挑戦する企業がめだつ。
「姫路おでんはショウガじょうゆで食べます」。兵庫県姫路市で10月、ダシ会社専務で姫路おでん普及委員会の前川裕司会長は、ベトナムの外食企業の担当者らに説明した。グェン・カオ・チィさんは「とてもおいしい。メニューの一つに入れたい。見積もりを出してもらえますか」。日本貿易振興機構(ジェトロ)の橋渡しもあって、商談につながった。
地元食品会社などでつくる普及委員会は「海外においしさを知ってもらい本物を食べに来てほしい」と期待する。韓国では姫路おでんブランドの店が近く開く。おでんなら姫路というイメージづくりをめざす。
お好み焼きチェーンの「千房」(大阪市)は11月、タイとベトナムに出店した。ソースは日本から送って大阪の本場の味を届ける。現地での独自メニューも認めていて、「お好み焼きバーガー」もある。
海外出店は18年ぶり。1990年代に米国とオーストラリア、韓国に出たが、米国・ハワイの店を残して撤退。「伸びしろが大きいのは海外。近くて管理しやすいアジアから狙う」と再チャレンジする。来年3月にはフィリピンに出る予定だ。
鳥肉卸会社「シマナカ」(大阪府寝屋川市)は4月、から揚げ店「金のとりから」をインドネシアに出した。好みのソースやスパイスで食べてもらう。
串かつ店「串かつだるま」を展開する一門会(大阪市)は昨年タイと韓国、今月台湾に出店し、来春にはフィリピンも予定している。「ソースの二度づけ禁止という大阪ならではのルールを広げたい」という。
アジアでは日本食の人気が高い。農林水産省の推計では、アジアの日本食レストランは約4万5千店と5年前の4.5倍に増えた。店舗数で先行していた北米を抜き、地域別でトップになっている。
すしや天ぷらといった定番料理だけでなく、ラーメンやうどん、カレーなども広まっている。訪日客が列をつくる「たこ焼き」なども、日本食として知られるようになった。
フィリピンでも日本食材は東京経由のため、関西の味と少し違う。関西のB級グルメがアジアに続々出店して貰うのは、フィリピンに滞在する関西人だけでなく日本人としてとっても良いと思う。