フィリピン政府によるジプニー(フィリピン式乗り合いバス)など公共交通車両(PUV)の近代化プログラムへの参加に向け、いすゞ・フィリピンズ(IPC)は、1月から6カ月間、マニラ首都圏とその周辺で、環境配慮型のエコPUVの試験走行を実施しているようだ。公道で実際に走らせることで性能などを確認し、市販車に生かすとしている。
IPCは小型トラック「Nシリーズ」のシャシー(車台)を利用し、収容能力が22人以上の立ち乗り車両(クラス2)と座席車両(クラス3)の2タイプを製造する計画を立てている。ボディーは、地場車体架装メーカーのセントロ・マニュファクチャリング、アルマゾラ・モーターズが製造する。
IPCの担当者は、「政府から来年後半の本格生産を求められている中、上半期(1~6月)は試験走行で事業性や車両の性能を慎重に確認しながら計画を進めていく」と説明。「フィリピンの環境問題の改善に資する政府のPUV近代化プログラムには、現地のトラックメーカーとして積極的に取り組みたい」との意向を示した。ただ、生産台数などは、政府プログラムのガイドラインが明らかになってから決めるという。
IPCの1~10月の新車販売台数は前年同期比4.2%増の2万2,732台。今年通年で3万台程度になる見通しだ。
近代化プログラムには批判もある。地元紙マラヤなどによると、上院のPUV委員会のポー委員長は、PUVの運転手27万4,000人超に、新型車両1台につき8万ペソ(約18万円)の補助金を付けると約束しているにもかかわらず、運輸省がPUV近代化プログラムに20億ペソの予算しか割り当てていないと指摘。供給面でも「国内の業者が5年間で20万台以上の車両を製造できるのか疑問」と述べ、「プログラムは野心的すぎてはいけない」と懸念を示した。
プログラムを進める投資委員会(BOI)は、年内にPUV近代化プログラムの優遇策を策定し、来年初頭にドゥテルテ大統領の承認を得たいとしている。(NNA等より)
電動トライシクルや電動ジープニーで導入計画が頓挫した状態。難しいのは、運転手が雇われが多く通常のローンが組めない人たち。今動いているジープニーを、新型車両1台につき8万ペソの焼け石に水の補助金では到底無理と思われる。
いすゞがジープニー近代化で助力するのは良いことだが前途は多難のようだ。