海外にロングステイする人口が増えている。これはリタイア世代に限ったことではない。ロングステイ財団の調査によると、70歳以上は5万8,500人で前年比102%。だが、40~49歳も35万9,000人で102%、50~59歳は25万2,000人で101%と、働き盛りの海外移住も盛んだ。
人気はやはりアジア諸国。11年連続でマレーシアが1位となっていて、タイ、ハワイ、台湾、フィリピンと続く。
滞在費の安さなど経済的な理由はもちろん、就職のしやすさも考えるとアジアに流れやすいのだろう。「海外暮らし最強ナビ アジア編」(辰巳出版)の著者で、ライターの室橋裕和氏はこう言う。
「私もタイのバンコクに10年住んでいましたが、30~50代の働き盛り世代なら仕事を見つけやすいですね。ネットで『タイ 求人』で検索するとたくさん出てきます。自動車関連産業の集積地となっている関係で製造業が盛ん。日系の工業団地もあります。英語で日常会話ができればOKという会社も多いし、日本語だけでOKという職場まである。現地採用の場合、月給は最低5万バーツ(約16万7,000円)ほどですが、タイで生活するなら少ない額ではありません」
タイ在住の日本人は7万人。コミュニティーができているので、室橋氏は「日本語だけでも生活できます。病院にも日本人専門の窓口があるくらい。リタイア世代も生活しやすいのはそのためです」と言う。
1位のマレーシアはIT業界が進出し、日系の中小企業も多く、就職先を探しやすい。多文化社会のため「教育移住」の需要も高く、幼い子供がいるサラリーマンに人気だ。
「日系の不動産業、製造業が進出を始めていて、日本食レストランなどの飲食業を開業する人もいます。反対に台湾で仕事を探すのは厳しいですね。現地には日本語が堪能な留学経験者も多く、日本人の需要は少ないのです。リタイア後にゆっくり過ごす人向けですね」(室橋氏)
気を付けなければならないのは交通事故と日本人。車やバイク社会なので事故リスクがあるし、「現地で会って間もない日本人から、リゾート開発だの不動産投資だのと怪しい案件を持ち出されるケースは少なくありません。つい気を許しがちですが、見極めが重要です」(室橋氏)と言う。(日刊ゲンダイ等より)
日本にある会社が海外へ仕事で行く場合の待遇は非常に良く日本の給料はそのまま残り、海外滞在費で充分な生活が出来ていたが、現地で採用された場合は現地の相場の給料のみで、雲泥の差があった。働き盛りの人が海外移住して現地で採用されて働く場合は何かと苦労はありそうだ。