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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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小型旅客機の再編の波?

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 航空宇宙業界に“再編の波”が押し寄せている。米航空機大手ボーイングは、ブラジルの同業エンブラエルとの「統合の可能性」を協議していることを明らかにした。また、10月には欧州のエアバスがカナダのボンバルディアが生産する小型旅客機「Cシリーズ」の事業持ち分の過半数を取得することに合意した。両社とも競争が激しい地域路線向けの小型旅客機事業を強化するのが狙いで、小型旅客機市場の覇権をめぐる争いはヒートアップしそうだ。
 
 ボーイングとエアバスは従来、利益率が高い大型航空機事業に注力してきた。ボーイングがエンブラエルを買収すれば、ボーイングとエアバスの複占市場が小型旅客機市場にも広がる可能性がある。
 
 座席数100席以下のリージョナル機市場では中国やロシア、日本のメーカーなどがしのぎを削っている。航空機リース会社エア・リースのプルーガー最高経営責任者(CEO)は「ボンバルディアやエンブラエル、ロシアのスホーイや三菱航空機が売り上げを伸ばそうと競合する中、小型旅客機市場での統合に向けた素地は整った」と分析する。
 
 もっとも、エンブラエルは長年にわたりボーイングと良好な関係を築いてきた。エアバスがCシリーズ事業の過半を取得するとの報道をきっかけに、業界内ではライバルの脅威に対抗するため、ボーイングとエンブラエルの距離は縮まるのではないかとの臆測が浮上していた。両社は軍用輸送機「KC-390」の販売と保守管理で提携している。
 
 ボーイングは過去20年間にわたり、商用・軍用機や宇宙関連などの分野で小規模の買収に重点を置いてきた。しかし、ケント・フィッシャー氏が今年、大型買収や戦略的提携を主導するチームの責任者に昇格したことで、買収戦略は大きくシフトしたといえそうだ。
 
 ただ、ボーイングとエンブラエルの統合実現までの道のりは決して平坦ではない。完全買収となればブラジル政府からの直接的な批判は避けられないからだ。ある関係者が「ボーイングとエンブラエルの交渉は、合弁事業も選択肢の一つだ」と明かすのもこのためだ。
 
 両社は買収の形態について「協議中」と言及するのみで、詳細については明らかにしていない。両社は今後、ブラジル政府や規制当局、さらにエンブラエルの株主の承認を得る必要がある。ブラジル政府は買収をめぐり拒否権を行使できる黄金株を保有している。
 
 ブラジル紙フォリャ・ジ・サンパウロによると、エンブラエル株を保有するブラジル政府は既に買収に反対の姿勢を示しているという。また、テメル大統領は、国防相と空軍幹部にエンブラエルの経営権が取引されることを認めない考えを示している。
 
 スイスの金融大手クレディ・スイスの航空宇宙アナリスト、ロバート・スピンガーン氏はリポートで、「国家の威信は買収の行方を左右しかねない重要な要素の一つであるため、完全買収より合弁事業の方が望ましい場合もある」とみている。(Sankei-Biz等より)





 ブラジルのテメル大統領とジュングマン国防相が会談し、提携は支援するが、過半数の支配権をボーイングが保有することについて反対するとしている。エンブラエルはブラジルで数少ない世界的な製造企業であり、軍事部門は政府と密接に関わっている。買収ではなく、テメル政権が一定の影響力を残すことができる限定的な出資などの枠組みに変わる可能性があるようだ。

 ボーイングは、2017年の民間航空機は763機を納入。ナロウボディの737とワイドボディの787で生産を強化し、納入機数はエアバスを上回り、航空機製造の記録は6年連続でトップとなって、純受注は、ナロウボディとワイドボディともに堅調で912機を獲得、累計の受注残は約7年分の生産機数に相当する過去最高の5,864機に拡大して順調だが、エアバスと同様に小型旅客機を充実させたいようだ












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